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瞬編--
・・・色っぽい。
何も纏っていない上半身に長髪がこぼれおちる様は、女の私だって敵わない。
悠里は心の底からそう思った。
「何をぼーっとしてるんだ」
向かい合うようにして座るベッドの上、頬に手を伸ばされ顔が熱くなる。
どこを見ていいのかわからず、思わず目をふせる。
「瞬君の髪が綺麗だなぁと思って・・・」
「髪?まったく・・・」
伸びてきた手がそのまま悠里の髪を撫でる。
束を一掬いとって、瞬は唇を落とした。
「えっ、瞬君?」
瞬はこめかみから毛先まで順々に唇を寄せる。
悠里はじっとしたまま、瞬の感触を感じていた・・・・が、
「ちょ、ちょっと瞬君!待ってっ」
毛先まで落ちた唇は首をすべり、キャミソールの肩紐がある場所まできていた。
繊細に動く長い指が、着実に体を覆うものを唇の通り道として、排除していく。
「いやだ。止まらない」
至近距離で悠里を見上げ、瞬は意地悪く目を細めた。
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清春編--
「ほーらァ、ゆーりちゃン?」
子供をあやすように言われ、悔しいやら恥ずかしいやらで顔が赤くなる。
ここまできた以上覚悟は決めていた。けど、
「やっぱり恥ずかしいわっ!」
「ったく、往生際が悪いぜェ先生?」
嬉しそうに笑う清春は、脚を広げ、より悠里との距離を詰めた。
「しょうがねェな。ほーらブチャ、バンザーイ」
「きゃあっ」
一瞬にして腕をまわされ、背中から服をめくりあげられる。
「待って待って、自分で脱ぐからっ!!」
思わず叫んでしまい、悠里は後悔した。
清春の両眼がさらに嬉しそうに意地悪く細められる。
「へーーぇ。じゃ脱げよ」
言ってしまった以上後に引けない。
悠里は覚悟を決めて、裾を握った。が、なかなかできない。
そんなに見ないでくれないかしら・・・
清春のまっすぐな視線に焼かれ、体が羞恥心で燃え尽きそうだ。
ゆっくり深呼吸をして、一度目を閉じて、ゆっくり顔を上げると清春と目が合った。
そこには先ほどまでの真剣な眼差しではなく、穏やかに笑う清春がいた。
「・・・ンとに、オマエはオレを喜ばせる天才だなァ」
キシシッと笑い、悠里の頭をがしがしっと撫でる。
「そーんなに必死な顔しやがッて。顔が真っ赤でタコだぞブチャ」
敵わねェ、と呟くとあっというまに悠里との間をなくし、きつく抱きしめた。
「清春くんっ、苦しっ!」
「うるせェ。しっかりとオレ様の愛情受け取りやがれ!」
そのまま唇を重ねられ、悠里は熱に酔う。
解放される瞬間にはもう、清春の手が衣服にかかっていた。
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